小さなうつわのメッセージの「折々の記 第60号 」

折々の記第60号

小さなうつわの会の終わりにあたって
稲本玲子

今、五十鈴さんから小さなうつわの会を終わりにされるお電話を頂きました。

小さなうつわの会で教えて頂いたことや、楽しかったことが走馬灯のように、私の頭の中を、今、思い出は駆け巡っています。

思い返せば、1971年アメリカのDenverで五十鈴さんとお会いした時から、小さなうつわの会とご縁を頂いたことになります。そう、思えば、48年・・・です。半世紀・・・と書けば長いようですが、あっという間のように思います。

ある時、五十鈴さんから、聖ヨハネ学園の方々が作られた素敵なうつわを頂きました。私の知っているうつわとは違う、とっても優しい温かなうつわでした。

目の見えない津友子さんが、このうつわの素晴らしさに感動されて、初めてのお給料を聖ヨハネ学園に寄付されたその後に、五十鈴さんは『小さなうつわの会』を作られました。私も聖ヨハネ学園のうつわのファンの一員として『小さなうつわの会』に入れて頂き、沢山の素晴らしいことを学ばせていただきました。学びながら、私も、五十鈴さんの詩に詠われている神様の大切なものを入れる『小さなうつわ』になりたい!と思いました。まだまだ『小さなうつわ』にはなれていないと思いますが、これからの人生の続く限り、『小さななうつわ』になれるように歩んで行きたいと思います。

五十鈴さんは『小さなうつわの会』を誠心誠意、全身全霊で支えてこられました。

五十鈴さんの献身的なお仕事に心から感謝いたします。

富士聖ヨハネ学園の陶芸班の皆様、星美学園の皆様と遊んだ『忍野しぼくさ祭り』は、毎年5月18日に忍野のセンターハウスで開催、心から楽しませて頂きました。

そして、私は毎週コンピューターに掲載される『小さなうつわのメッセージ』を読ませていただいて精神性の高い内容を沢山教えて頂きました。

神様仏様ご先祖様をバックボーンにされて、神道仏教キリスト教と多岐にわたる内容のメッセージの出る日を楽しみにしていました。今も読ませて頂き、内容の素晴らしさを思います。

五十鈴さんはメッセージの取材に関西に来られ、飛鳥、奈良、京都、丹後、信楽、大阪、近江、大和郡山、長岡京、等々へ行き、社寺仏閣のお詣りして、その地を調べて記事にされました。そうした中で、地名学者の池田末則先生、大和郡山のキリシタンを調べられた三俣俊二先生、古代豪族の金田英治先生とのご縁を戴いて、講義を現地でして頂きました。学校では学べない、贅沢な勉強会でした。

それと画家としての大御所の織田廣喜先生をお迎えして、とても温かい素敵な時を頂きました。この思い出は、私の心に深く刻まれていて、宝石よりも、美しく輝いています。

私があちらに逝くとき、こんなに素晴らしいことを教えていただいたり、体験させていただいことに「小さなうつわの会ありがとう!ありがとう!本当にありがとうございました。」と思いながら、さよならできたらいいなーと思っております。


旧小さなうつわのメッセージ(山梨版)は、こちら