小さなうつわのメッセージの「折々の記 第60号 」

折々の記第60号

感謝をこめて
鈴木則子

もう、40年も前になるのでしょうか、五十鈴様とのご縁を戴いて「小さなうつわの会」へのお誘いを戴き、小さなうつわさんたちとのご縁へと、つながっていきました。

「小さなうつわの会」での障害を持たれた、特に知的障害を持たれた方々とのご縁は、私の人生観を入れ替えて戴いたと思っております。

生れたときの無垢な魂の「まんまのまま」で生きることと、自己中のままの、「自分のまんま」で生きる一生とでは、天国と地獄ほど違うと思います。

このことは、自分を捨てること、自我を捨てること、全てをお任せをする全託の心を持ちたいという、私の願望に繋がっております。

小さなうつわさんたちの、全てをさらけ出したような姿や、純粋な、やさしい笑顔に、私の魂は育てて戴いたと思っております。小さなうつわさんとの出逢いは、私の宝物となりました。

小さなうつわの会のお詣りの企画から、奈良をはじめ、いろいろなところへ行かせて戴きました。飛鳥坐神社、天橋立の籠神社、その他有名な多くの神社へお詣りをさせて戴き、そしてその神社の宮司様方とお話をさせて戴きまいた。そしてその後も、度々お詣りをさせて戴いております。そのことは、私にとっては、うれしいことの一つです。

また仏教学者の田辺和子先生とのご縁を戴いて、先生の解説付きという、贅沢な琵琶湖周辺の十一面観音様めぐりをさせて戴いたことがあります。その折に、地名学者の池田末則先生の現地でのお話を伺ったりして楽しかったこと等が、次々と想いだされます。

神さま、仏さま、ご先祖さまへの感謝を忘れずに、これからも過ごしたいと思っております。

「小さなうつわのメッセージ」の「折々の記」は、五十鈴様が子供の頃から読まれたたくさんの書物や、お母様の躾、また、ずっと人生を通じて学ばれて蓄積された知識が、蚕がはいた糸で織った文章で綴られているように思います。

私が、自分では絶対読まないであろう難しい本を、五十鈴さまは、易しく解説してくださったり、学者先生とは違った切り口での解説は、とても興味深くおもしろく読ませて戴きました。

この歳になって、このようにたくさんのことを学ばせて戴く機会に恵まれましたことを、心から感謝いたしております。厚く御礼申し上げます。有難うございました。

長い間本当にお疲れさまでした。


旧小さなうつわのメッセージ(山梨版)は、こちら